幼稚園でいけばな教室
満々と水をたたえた田んぼに、青々とした稲の苗が整然と並んでいます。目の前に田んぼが広がる恵まれた環境。この4月から、岐阜の清流みずほ幼稚園とわかくさ幼稚園で、園児を対象とした親子いけばな教室をはじめました。
コップやお猪口、空き瓶など、自宅にある小さな器を持ってきてもらい、オアシスを入れて花器を作ります。オアシスを切るのはお母さん、水を含ませて器に入れるのは子どもたちの役目。はじめてのレッスンの時に教えたオアシスの浸け方を、二回目には、すでにしっかり覚えてくれていた子どもたち。バケツに張った水にオアシスを浸けるのですが、オアシスを手で無理やり水に押し付けると、空気が入ってしまいオアシス全体に水が滲みわたりません。そこで、バケツに張った水にそっとオアシスを浮かべ、全体が沈む(全体に水が滲みわたる)までしばらく待ってから、取り出すのです。
子どもたちは、レッスンを心待ちにしてくれているようで、「レッスンの準備をするから手伝って」と声をかけると、我先に駆け寄ってきて手伝ってくれたそうです。
さて、今月の花材は、赤い実のスグリと、白い花のスプレーマム。「お父さんやお母さんは、みんなより背が高いでしょ。みんなも、背の高さが違う。お花も同じようにいけるんだよ。木は大きく、白い花は小さくいけよう」「赤い実がかくれんぼしているときは、手前の葉を切って、見せてあげてね」などと、できるだけ幼稚園児にも分かるような説明を心がけています。
幼稚園の先生から、こんな報告を受けました。私は毎回レッスンの最後に、「家に帰ったら、必ず花に水をやって大事にしてね」と言っているのですが、ある男の子は、自分の作品だけでなく、家の中に飾ってある他の花の世話も進んでしてくれるようになったとのこと。また、レッスンを受けていないお父さんに、自慢げに作品の説明をしているそうです。お父さんは、「私が子どもの頃は、花に目を向けることなんてなかった」と苦笑しながらも、喜んで下さっていたんですって。
確かに、花に無関心だと、たとえ花が枯れていても気づきません。一輪の花の輪郭を際立たせ、その移ろいに目を向けるいけばなを学べば、観察力も鋭くなります。幼いながらも、命の美しさに目を向け感性をしっかりと育んでくれているのですね。幼稚園児を教えるのは、私にとって今回がはじめて。私自身、学ぶことの多いひとときです。









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