2023年「未生流笹岡 京都支部展」御礼
今年も「未生流笹岡 京都支部展」を無事終えることができました。ご出瓶いただいた皆さま、ご来場いただいた皆さま、ご祝意を頂戴した皆さま、ありがとうございました。
昨年に引き続き、「南禅寺 天授庵」および「ウェスティン都ホテル京都」、2会場での開催。秋の蹴上をそぞろ歩きしながら、和の空間と洋の空間、それぞれを彩るいけばなをお楽しみいただく趣向でした。
ウェスティン都ホテル京都では「笹岡隆甫さんを囲む会」も。「花を介して人と人とを結びつけるのもいけばなの大きな役割の一つであり、気軽に交流して頂けるサロンのような場を作りたい」との私の思いを受けて、呼びかけ人の皆様が企画してくださってます。政治・行政・経済・文化それぞれに携わる方々が、世代の枠を超えて、利害関係なく集まる楽しい機会。例年、冒頭には、参会者の方にご登壇いただき、打ち合わせなしの小さなトークセッションを開催しています。
築地本願寺の木村共宏副宗務長には、「量子のふるまいが、仏教の空の思想に通じる」という話をうかがいました。量子は波と粒子、両方の性質を持っており、観測するまではそこに存在するどうか分かりません。あるようでなく、ないようである。いけばなにも、虚実という考え方があります。自然の草木は「実」であるが、地面から切り離された時点で「虚」になり、いけばなの型におさめることによって「実」に戻る。すべてが繋がっているようにも感じました。
有斐斎弘道館の濱崎加奈子館長には、道真公が説かれた和魂漢才の精神を引き継ぎ、和漢朗詠形式で再興された北野天満宮「曲水の宴」についてお話いただきました。日本には海外から様々な文物が持ち込まれてきました。連続テレビ小説「らんまん」の中で、花を持ち寄って競う「菊くらべ」が行われ、日本に古くから自生する原種の菊から、外来種まで様々な菊が持ち寄られました。いにしえより愛されてきた菊は、日本人の花への想いの象徴です。皆に花を愛でる思いがあったら、人の世に争いは起こらないのではないか、と主人公は語ります。天授庵 方丈に奉納した家元作品には、とりどりの菊を合わせいけ、そんな平和への願いを菊の花に託しました。
ご来賓を代表してご挨拶を頂戴した西脇隆俊京都府知事、乾杯のご発声を頂いた門川大作京都市長、そして司会を務めて下さった、京塗師の三木表悦さんにも、心より御礼申し上げます。
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