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2008年7月

2008年7月18日 (金)

留学生たち

 立命館大学で、留学生を対象に、いけばなの講義を担当しています。学生たちは、実技を中心に、半年間、いけばなを学びます。
 講義の最終日、学生たちに授業の感想を尋ねました。
 楽しかったことを尋ねた所、ベラルーシ人の男子学生の答えは、「持ち帰った花をかわいい女性にプレゼントできて、嬉しかった。その女性も喜んでくれた。」ですって。思わず笑みがこぼれました。実際、彼はとてもハンサムで、いかにも女の子にもてそうです。
 彼は、こんな嬉しい報告もしてくれました。「留学の目的は、日本語を習得するためだったけれど、実際、留学した一年間の中で、いけばなの授業がいちばん勉強になった。特に、命ある花の姿を見つめる中で、人としてのあり方を学ぶといういけばなの考え方に共感した」。
 また、ドイツ人の女子生徒は、こんな話をしてくれました。
 私は、女の子らしい趣味を持っていないので、花にも興味がなかったんです。でもこの講義をとって、私の花に対する考え方は変わりました。私は、レッスンが終わると、持ち帰った花を寮の台所に飾っています。花を飾ると、なぜだか台所のatmosphereが違うんです。いけばなを学んでいない寮の仲間も、同じように感じるようで、毎週(いけばなの講義のある)木曜日になると「今日はいけばなの日でしょ?新しいお花が来るんだよね?」と、声をかけられる。花の力はすごいんですね。 
 私から学生に、そしてその友達に。花が好きな人がどんどん増えていくのは、私にとって何より嬉しいことです。
 そうそう、彼女は、こんなエピソードも語ってくれました。
 いけばなを始めて、季節に敏感になりました。昨晩、祇園祭の宵山に出かけ、道行く人たちが着ている浴衣姿を眺めていたのですが、ある二人連れの女性の浴衣の柄を見て思わず目が点になりました。1人は桜の描かれた浴衣、もう1人が赤や黄色のモミジが描かれた浴衣だったのです。思わず写真を撮ってしまいました。外国人の私が言うのもどうかと思いますが、なんだかとても残念でした。もっと夏らしいものを選べばよいのに。浴衣には、その人のセンスが表れる気がします。
 彼女は、日本人以上に季節に敏感になっているようです。
 彼らが母国に戻って、日本文化を発信してくれるのを今から楽しみにしています。

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2008年7月17日 (木)

料理初体験

 料理学校に、体験入学しました。もともと興味はあったのですが、実際やってみると、やっぱりおもしろい。
 まず挑戦したのは、鰯の生姜煮。まずは、魚を傷つけないよう、包丁の背で、尾から頭に向かって鱗を取ります。続いて、頭を落とし、鰯を寝かせた状態で、肛門からお腹を開いて、包丁で内臓を取り出します。奥の方にある血袋を破っておくのも忘れないように。最後に薄めの塩水で綺麗に洗って、準備完了。次に生姜の皮を向いて、千切りに。私が包丁を握る姿はどうも不恰好。「少し身体を斜めにして、包丁は引くのではなく、手前から向こうに押し出すように」。先生の指導を受けながら、なんとかこなしていきます。鰯が半分くらい浸かる量の水に、醤油、みりん、お酒、さらに砂糖も少し加えた調味料を用意。そこに鰯と生姜を入れ、紙製の落し蓋をして、中火で約5分。落し蓋を取り、スプーンで調味料をすくっては鰯の上にかけながら、さらに弱火に約5分。鍋の前から離れられずに汗ばんできますが、美味しそうな香りがあふれてきます。
 次は、お味噌汁。昆布と鰹節でだしを取ります。予め、鍋の中で、30分間ほど昆布を水に浸しておきます。それを鍋ごと火にかけます。昆布が溶け出さないように沸騰させる直前に取り出します。沸騰したら、今度は鰹節を入れて約1分。火を止め、鰹節が鍋底に沈むのを待ってクッキングペーパーで漉せば、美味しいおだしの出来上がりです。昆布と鰹がお互いに主張しながらも、よく調和しており、とてもマイルドな味わいです。
 だしの味を学ぶために、何も知らない私も独力でだしをとったのですが、昆布を水に浸さずに使ったのと、鰹節を火にかけ過ぎたせいで、かつおの香りばかりが際立ち、昆布のうまみが感じられませんでした。
 できあがっただしに、豆腐を加えて再び火にかけます。ひと煮立ちしたら、ワカメを加えますが、ここでも昆布同様溶け出さないように沸騰させないことがポイントです。あとは、お味噌を溶いて、ネギをのせれば完成です。
 最後に酢の物。きゅうりを輪切りにして、一つまみの塩で揉み、しばらく置いてから、ぎゅっと握って水分を切ります。今回作ったのは、酢:淡口醤油:塩:だし=1:1:0.5:0.5の三杯酢(通常、二杯酢は、酢:醤油=1:1、三杯酢は、酢:醤油:塩=1:1:1だそうです)。ワカメとジャコを加えて、和えれば出来上がり。
 苦労して作った私のはじめての和食。どれも美味しく、納得のできばえでした。やはり自分で作ったものは一味違いますね。
 しかし、美味しいご飯を作るには、これだけの手間隙がかかっているものなのですね。炊事はたいへんな仕事だと頭では分かっているつもりでしたが、実際に体験するとその苦労が身にしみます。「三度の食事には、手間と時間と愛情がいっぱい込められているのだ」と改めて気付かされるひとときでした。毎日の食事、常に感謝の気持ちを忘れず、しっかりと味わって、頂かなくてはいけませんね。

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2008年7月 6日 (日)

あんた、甲斐性ないなぁ

 ある大阪の税理士さんのお話です。彼女が新人の頃、ご自分の所属する業界団体の先輩から電話がかかってきて、「ちょっとあなた、今から京都まで来てくれる」と頼まれたそうです。まだ開業したばかりの駆け出しで日々の仕事に追われており、「ちょっと今は…」と断ったところ、先輩が発した言葉は「あんた、甲斐性ないなぁ」。
 私なら「いやみな言い方をなさる先輩だなぁ」と反発したくなるところですが、彼女は「そうか、私は甲斐性がないのか」と素直に納得したそうです。自分の仕事に追われて、頼まれたことを断るようでは、自分の仕事でも成功しない。先輩の言葉を、そう捉えたのです。
 それからの彼女は、頼まれたことは決して断らないように心がけました。彼女にとって、他人のために働くのは、自分のため。その中で、先輩から多くのことを学び、何でも相談できるかけがえのない仲間を得たといいます。
 自分の時間を犠牲にして、他人のために無償で働くのは簡単なことではありません。でもその努力は、いつか自分に戻ってくるのですね。
 ついつい仕事を言い訳にしてしまうわが身を省みて、ちょっと恥ずかしくなりました。

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