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2009年1月 9日 (金)

お茶事を楽しむ

 いつも家族ぐるみでお世話になっている名誉目代のご子息の皆様方と、年に一度集まって勉強会を開いています。昨夜は、老松の太田達さんが京都・大原古知谷にお持ちの「無心庵」にご招待くださり、お茶事を体験しました。まずは、安藤忠雄さんと三宅一生さんが○や□を描かれた楽しいお軸を拝見しながら、皆さんが集まるのを待ちます。
 さて、太田さんの案内で、いよいよお茶事のはじまりです。一番のご馳走は、その絶好のロケーション。東には川のせせらぎの向こうに栗林、その上には少し欠けた丸い大きな月が姿を見せています。ふと振り返ると、そこには宵の明星。旧街道を挟んで西に臨む山の稜線が綺麗に映し出され、あまりの美しさに思わず言葉を失いました。
 道具類も楽しいものばかり。何気なく飾られているのは、古今和歌集の断簡です。次に私たちの興味をひいたのは、村上隆さんの火入。古今の名品が私たちの目をを楽しませてくれます。
 さあ、露地行灯に導かれ、手燭で足もとを照らしながら腰掛に進みましょう。迎付では、亭主と正客が手燭の交換。そう、夜咄の風情です。「無心庵」の茶室は、黒谷さんの澱看席を写した道安囲い、お手前を耳で楽しむ趣向です。中立を省略して、床は諸飾。軸は後奈良天皇の筆跡で、茶花の代わりに石菖が飾られています。
 食事とお酒をいただいた後、客一同そろって箸を膳に落とし、濃茶、薄茶と続きます。最後にいただいたお薄では、本阿弥光悦の樂茶碗や徳川家康所蔵の茶碗といった、普段ガラスケースの中に陳列されているようなお道具でいただくという貴重な体験をさせていただきました。確かに、どんな名品であろうとも、ガラスケースにしまっておくだけでは、もったいない。道具は、実際に使うからこそ、その真価が見えてくるのでしょうね。
 茶室という空間に身を置くと、やはり背筋がしゃんと伸びて気持ちが改まります。でも、それでいて、ゆったりとした気持ちで自然の美しい景色や音、空気を楽しむことができる。とても素敵なひとときを過ごしました。

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