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2009年4月

2009年4月 5日 (日)

NHK文化センター青山

本年度も、NHK文化センター青山で、スクール形式のいけばな教室を開講します。講座は初心者向けで、4月~9月まで、全6回(月1回金曜日19:15~20:45)。水盤、壷、瓶のいけ方を体系的に学びます。教室は、銀座線・半蔵門線・大江戸線「青山一丁目」駅直結です。継続受講も可能。ぜひご参加下さい。

http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_457313.html

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2009年4月 3日 (金)

いけばなは夏をむねとすべし

 「家の作りやうは、夏をむねとすべし」(徒然草) 
 エアコンのなかった当時、蒸し暑い夏は耐え難いものであったはずです。だから、日本建築は、建具を取り払ってしまえば、柱と屋根だけが残る開放的な作りとなっています。
 現在でも、京都の夏は蒸し暑く、しのぎにくい気候。これは人間だけでなく、花にとっても同じです。あまりたくさんの花を器に放り込むと、冷房のきかない満員電車に乗っているみたいに息苦しくなります。ぶつかりあった花枝を透かして空間を作り、花器に満々と水をたたえて、花が弱らないように配慮します。
 実はこの傾向、夏だけに限りません。いけばなでは、季節を問わず、交差したり重なっている花枝を透かします。これは、一輪の花、一枚の葉を際立たせ、時間経過とともに移ろいゆく花の表情を楽しむため。
 もちろん、冬には、花枝を透かしすぎると寒々しく見せるので、花や葉をやや多めに残します。また、花器の水も冷え冷えとして見えるので、いくぶん控えめにします。でも、一般的な傾向としては、夏を意識しているように思えます。
 いけばなは、次の一文に尽きるのかもしれません。
 「花の飾りやうは、夏をむねとすべし」

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美の基準はひとつではない

 桂と日光。
 よく引き合いに出されるこれら二つの日本建築は、正反対の評価をされます。
 ドイツの建築家ブルーノ・タウトは、「泣きたくなるほど美しい」と桂離宮を絶賛しました。控えめで落ち着いた佇まいを見せる桂こそ、日本の美だと考えたのです。また彼は、豪華で威圧的な日光東照宮を、建築の堕落だと酷評しています。
 確かに、桂離宮は、日本人が好む「わび・さび」の美意識に合うものです。ただ、日光東照宮も、同時期に同じような人たちが関係して作ったもの。日光東照宮の陽明門には、彫刻の模様が逆向きになっている逆さ柱があります。完璧に作り上げず、わざとくずしているわけですが、その背景には「完全な月は欠けるだけ」という移ろいゆく日本人の人生観が見え隠れします。桂と日光は、みかけは正反対でも、ともに日本人の美意識の表れであり、どちらか一方だけが優れているといったものではありません。
 もちろん好みはあります。花を飾るときにも、すっきりして品のあるものを好む人と、豪華であでやかなものを好む人がいます。私は前者が好きですが、これも人それぞれ。 
 美の基準は一つではありません。
 いろんな考え方を許容できる広い器を持ちたいものです。 

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2009年4月 2日 (木)

いけばなを体系づける

 「いけばなは、曖昧で、捉えどころがない」と誤解されています。いけばなと銘打っているのに、壷にありったけの花を放り込んだような作品を見かけますが、こういったいけばな自体の乱れもその誤解を助長しています。 
 このような誤解が生じる原因は、いけばなの「美の法則」が、周知されていないからに他なりません。 
 華道家は、「型」を通して先人の知恵を学んできました。型というのは優れた方法論で、その型の中には数多くの美の法則が隠されています。ただ、それに気付かず、型だけをひたすら追い求めると、かわりばえせずつまらなく感じてしまいます。そこで、戦後の前衛いけばな運動では型を否定する立場をとりましたが、近年のいけばなの乱れは、この型の軽視に一因があります。
 大事なのは、型それ自体ではありません。型に隠された美の法則にこそ意味がある。今こそ、いけばな本来の美を再発見すべき時です。
 私は、大学で日本建築を学び、いけばなと日本建築には、そのデザインに共通点があることを知りました。そして、型に隠されたいけばなの美の法則を、分かりやすい言葉で整理し、体系づけることができるのではないかと、私は考えました。 
 「アシンメトリー(未完の美)」、「直角二等辺三角形(白銀比)」、「引き算(余白の美)」、「移ろい(時間経過)を尊ぶ」…。
 これらは、いけばなのみならず、日本建築や水墨画など、日本文化に通底する美の法則です。そして、この美の法則は、私たちが古来大切にしてきた自然観や人生観に基づいています。
 型に隠された美の法則を整理し、曖昧だと誤解されているいけばなを分かりやすく解きほぐしたい。これが、私のライフワークです。

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