« 2009年6月 | トップページ | 2009年8月 »

2009年7月

2009年7月30日 (木)

「DO YOU KYOTO? ネットワーク」中間報告その1

 日曜日に迫った創流90周年記念花展の準備に追われています。花物は直前にしか触れませんが、木物は前もって手当てすることができるので、大まかな長さに切ったり、余分な枝葉を落としたり、「こなし」と呼ばれる作業をします。家元の稽古場では、水曜日から連日、役員の先生が総出で何点もの作品をこなしており、息つく間もありません。バタバタした毎日ですが、いけあがっていく作品を見るのはやはり楽しいものです。
 さて、話は変わりますが、今月初旬に立ち上げた、京都の伝統文化を担う若手有志による「DO YOU KYOTO? ネットワーク」の中間報告です。
 来年2月に開催するイベントの日程と場所が決定しました。2月10日(水)~16日(火)、高島屋京都店の1Fアトリウムにて。今のところ、環境を意識した作品展示のほか、初日の10日と土日祝にあたる11日・13日・14日には、呼びかけ人が出演するステージやトークショーも披露する予定。イベント期間とそれに先立つ1週間、高島屋京都店1Fの河原町通側ショーウィンドウに、呼びかけ人の環境に対する想いを、パネルにして展示しようという話も出ています。
 呼びかけ人の皆さんからも、続々と意見が寄せられています。
 アトリウムの空間全体をプロデュースして、環境への想いが伝わるような構成にしよう。いろんな芸術ジャンルの方を巻き込んでコラボをしよう。企業とも連動し、この活動を通じて環境に興味を持ってくださった方にも参加していただけるような受け皿を作ろう。
 これからの活動にぜひ注目して下さい。

| | コメント (0)

2009年7月22日 (水)

まもなく創流90周年

 来る8月2日、京都全日空ホテルにて、「未生流笹岡 創流90周年 記念祝賀の集い」を開催します。
 江戸時代後期、未生斎一甫により創流された未生流は、200年以上の歴史を有する伝統の流派です。明治大正期、未生流の高弟であった私の曾祖父、笹岡竹甫は、当時日本に渡来した洋花と古典の型を融合させるべく試行錯誤を重ね、新たな花型「投入」「盛花」を考案。1919年、「未生流投入盛花家元」を創流します。
 1966年には、竹甫の長男であり、私の祖父にあたる笹岡勲甫が二代家元を襲名。流派名を「未生流笹岡」と改め、伝統と創生を兼ね備えた流派として、京都を中心に華道界を盛り上げて参りました。
 このたび、無事90周年の節目の年を迎えることができますのは、日頃から流派を支え続けて下さったご来賓の皆様方と一門の皆様方のおかげです。めでたく卒寿を迎えた未生流笹岡を、これからもお導き下さいますよう、お願い申し上げます。

| | コメント (1)

2009年7月17日 (金)

祇園祭「山鉾巡行」速報

 本日、山鉾巡行が無事終了しました。
 雨が心配されましたが、昨夜の日和神楽のおかげでしょうか、照らず降らずの絶妙の天気で、涼しい風が鉾の中を通り抜け、鉾の中もとても快適でした。
 長刀鉾は、毎年くじ取らずで先頭を行くため、前方は視界が大きく開け、後方には絢爛豪華な山鉾が整然と並びます。稚児係さんのお手伝いをしながら、お稚児さんの真後ろから「注連縄切り」や「泰平の舞」を見られるのは、長刀鉾囃子方の特権です。 
 くしくも、今年のお稚児さんは、私が稚児を務めた年に、稚児係をしてくださった今西さんのお孫さん。あれから四半世紀が経つのですね。時代は変わっても、祭りの熱気は変わりません。
 伝統は、こうやって続いていくのだなと、なんだか感慨深い一日でした。

| | コメント (1)

2009年7月16日 (木)

祇園祭いけばな展(続)

 早朝、祇園祭いけばな展の手直しに行ってきました。昨日も、大勢の方にご覧頂いたと、お店の方も喜んでおられました。早速、お出まし頂いた皆様、ありがとうございます。
 宵山の今日と山鉾巡行の明日は、お店の中が顧客の方々で混雑するとのことで、外から見られるように、いけなおしました。ショーウィンドウには鉾の絵が描かれており、ちょっと見にくいですが、祇園祭にお出かけの際は、ぜひお立ち寄りください。

| | コメント (0)

2009年7月15日 (水)

祇園祭いけばな展

 早朝、祇園祭いけばな展のいけこみに行ってきました。
 私は、小学校5年生の時、長刀鉾の稚児をつとめて以来、祇園祭に深く関わるようになりました。祇園祭は、町内、稚児係、音頭取り、車方、屋根方、囃子方、曳き手など、たくさんの町衆に支えられています。神事で、私とともに四条通を歩いていた祖父は「花が少なくて寂しい」と実感。いけばな界も祇園祭を盛り上げるお手伝いをしたいと考えました。
 当時、京都いけばな協会の会長を務めていた祖父は、一緒に禿を務めた幼馴染の「伊と忠」さんや、懇意の「祇園辻利」さんと話し合い、四条繁栄会商店街・祇園商店街のご協力を得て、祇園祭いけばな展を企画します。宵々山・宵山・山鉾巡行の3日間、京都いけばな協会所属の各流派が、祇園石段下から四条烏丸までのお店のショーウィンドウに花を添え、四条通がストリートギャラリーとなるのです。この催しも、もう25年目。今では祇園祭のもう一つの楽しみとしてすっかり定着しました。
 今年、私が担当することになったのは、秀裳苑外市さん。長刀鉾のお向かいです。青々としたミヤマナンテンとカエデを主材に、白のスプレーマム加え、涼やかにいけあげています。展示は、今日から三日間。ショーウィンドウには鉾の絵が描かれており、四条通からは見にくいので、ぜひお店の中に入ってご覧下さい。Photo

| | コメント (1)

2009年7月13日 (月)

初花火

 昨夜、家族で馴染みのイタリア料理店に行ってきました。2歳になる甥っ子を皆が交替で子守しながら、美味しい料理に舌鼓を打つ幸せなひとときを過ごしました。
 さて、私が甥を連れて、お店の周りを散歩していたときのことです。大通りを挟んで向こう側に、手持ち花火の放つ光を見つけました。花火は今年はじめてだなと、しばらく遠目に眺めていました。すると、甥は花火に興味を覚えたようで「向こう!」と花火を指差します。
 私たちは、大通りを横断し、細い路地を入り、花火に近づいていきました。どうやら幼い兄弟とそのお父さんが、ご自宅の前で遊んでいるよう。少し離れて見ていたところ、兄弟が駆け寄ってきて、幼児用の花火を甥に手渡してくれました。「きれい、きれい」と目の前の花火に見とれる甥っ子。
 後で、妹に確認したところ、甥にとっては、人生初の花火だったようです。優しい兄弟とそのお父さん、ありがとうございました。

| | コメント (0)

2009年7月12日 (日)

夏期講習が始まりました。

 夏期講習。この言葉を聞くと、学生時代の塾を思い出される方も多いでしょう。しかし、いけばなの世界にも、夏期講習があるのです。
 未生流笹岡では、本日の京都を皮切りに、大阪、徳島、東京、和歌山で夏期講習を開催します。ふだんは各教授者のもとでお稽古をなさっているご社中の皆さんが、年に一度、お家元から直接指導を受ける貴重な機会。今日も、はるばる沖縄から来てくださったか先生がおられました。
 まず、午前中は座学です。いけばな教室は通常、実技が中心ですが、今日は皆、筆記用具を片手に講義を聴きます。今年のテキストは、お家元の著書『挿花百練に問う』。未生流笹岡の伝書である「挿花百練」(未生斎一甫の口述書、1816年)をひもとき、その問題点や修正すべき点を取りあげて解説を加えたもので、入門されて間もない方にとってはやや難解な内容でしたが、皆さんとても熱心にノートを取っておられました。
 お昼を挟んで、午後は実技。花材は自由ですが、一番人気はもちろん未生流笹岡の代名詞「かきつばた」。今日も半分以上、70名近くの方がかきつばたをいけられました。かきつばたは、ベテランでもいけるのに2~3時間を要する難しい花材。苦労していけあげ、「よし!」とお家元に褒めてもらえるのは、嬉しい瞬間です。
 ところで、この夏期講習は、師範認定試験を兼ねています。教授者の資格である「師範代」の免許を申請をするためには、必ずこの実技試験をパスする必要があります。一般の受講者が実技の間、受験者は別席で実技試験を受けます。課題は、「朝鮮まき」。皆、2ヶ月以上前から、各々の所属する教室で集中レッスン。朝鮮まきのお稽古を繰り返し、家の中が朝鮮まきだらけになります。しかし、その甲斐あって、今日の受験者は全員無事合格。10月には、京都の家元邸で行われる「新師範代ご挨拶」で、お家元からめでたく看板を授与される晴れの日を迎えるのです。

| | コメント (0)

2009年7月10日 (金)

一顆の実

 最近、お稽古をはじめられた方から、こんな報告を受けました。
 「私は、フラワーアレンジメントを習っていたのですが、いけばなをはじめて、花の見方が変わりました」。
 いけばなでは、そもそも、使う花の数も量も、フラワーアレンジメントに比べて少なめです。しかも、さらにそこから、引き算をします。たとえば、たくさんの実をつけた庭梅の場合、まずは、裏側に隠れて見えない実を落とします。それでも、まだまだたくさんの実が、重なり合っていて、一つ一つの実の形が見えてきません。そこで、実の数が数えられるくらいまで(実際には引き算してもまだまだたくさんあるので数えなくてもいいですが)、重なり合った実を落としていくのです。そうやって引き算をした花は、一つ一つの実が際立ち、自然とその実の姿に目が向き、その移ろいを見つめることになります。
 花をふんだんに使うフラワーアレンジメントも魅力的ですが、一顆の実でも大事にするいけばなの心がけも大切にしたいものです。

| | コメント (1)

2009年7月 9日 (木)

幼稚園でいけばな教室

 満々と水をたたえた田んぼに、青々とした稲の苗が整然と並んでいます。目の前に田んぼが広がる恵まれた環境。この4月から、岐阜の清流みずほ幼稚園とわかくさ幼稚園で、園児を対象とした親子いけばな教室をはじめました。
 コップやお猪口、空き瓶など、自宅にある小さな器を持ってきてもらい、オアシスを入れて花器を作ります。オアシスを切るのはお母さん、水を含ませて器に入れるのは子どもたちの役目。はじめてのレッスンの時に教えたオアシスの浸け方を、二回目には、すでにしっかり覚えてくれていた子どもたち。バケツに張った水にオアシスを浸けるのですが、オアシスを手で無理やり水に押し付けると、空気が入ってしまいオアシス全体に水が滲みわたりません。そこで、バケツに張った水にそっとオアシスを浮かべ、全体が沈む(全体に水が滲みわたる)までしばらく待ってから、取り出すのです。
 子どもたちは、レッスンを心待ちにしてくれているようで、「レッスンの準備をするから手伝って」と声をかけると、我先に駆け寄ってきて手伝ってくれたそうです。
 さて、今月の花材は、赤い実のスグリと、白い花のスプレーマム。「お父さんやお母さんは、みんなより背が高いでしょ。みんなも、背の高さが違う。お花も同じようにいけるんだよ。木は大きく、白い花は小さくいけよう」「赤い実がかくれんぼしているときは、手前の葉を切って、見せてあげてね」などと、できるだけ幼稚園児にも分かるような説明を心がけています。
 幼稚園の先生から、こんな報告を受けました。私は毎回レッスンの最後に、「家に帰ったら、必ず花に水をやって大事にしてね」と言っているのですが、ある男の子は、自分の作品だけでなく、家の中に飾ってある他の花の世話も進んでしてくれるようになったとのこと。また、レッスンを受けていないお父さんに、自慢げに作品の説明をしているそうです。お父さんは、「私が子どもの頃は、花に目を向けることなんてなかった」と苦笑しながらも、喜んで下さっていたんですって。
 確かに、花に無関心だと、たとえ花が枯れていても気づきません。一輪の花の輪郭を際立たせ、その移ろいに目を向けるいけばなを学べば、観察力も鋭くなります。幼いながらも、命の美しさに目を向け感性をしっかりと育んでくれているのですね。幼稚園児を教えるのは、私にとって今回がはじめて。私自身、学ぶことの多いひとときです。

| | コメント (1)

2009年7月 6日 (月)

DO YOU KYOTO? ネットワーク

 地球規模で進む温暖化をくいとめるため、京都の伝統文化を担う若手有志が「DO YOU KYOTO? ネットワーク」を立ち上げました。
 地球規模で進む環境破壊に対して「何かしなければ」という危機感は、皆が共有しています。しかし、次の一歩を踏み出せずに、立ち止まっていませんか。このまま環境破壊が進めば、四季の移ろいを大切にする伝統文化自体が存在できなくなります。そう、私たち、伝統文化の担い手にとって、環境破壊は身近な脅威なのです。
 そこで、自然と共生する持続可能な暮らしを実践してきた街、京都から声をあげようと、伝統に携わる同世代の仲間が、今朝、未生流笹岡家元邸に集い、「DO YOU KYOTO? ネットワーク」を発足。メンバーがそれぞれの分野で、環境に対する取り組みを進め、子どもたちにとって、こんな大人になりたいと思えるようなお手本を目指しています。
 今後、現在のメンバー(呼びかけ人)がそれぞれの仲間に呼びかけ、地球温暖化防止に向けた取組の輪を広げていきます。また、本日の発足会に激励に来ていただいた門川大作京都市長には、当ネットワークの顧問にご就任いただきました。これからは、京都市の地球温暖化対策室とも連動しながら、活動を広げていきます。
 なお、来年2月のDO YOU KYOTO? デー(京都議定書の発効した2月16日)前後には、イベントを予定。地球温暖化防止に向けた新たな取り組みが、今、始動します。 
 
                      「DO YOU KYOTO? ネットワーク」世話人 笹岡隆甫

「DO YOU KYOTO? ネットワーク」呼びかけ人

 池坊由紀 華道家元池坊次期家元
 井上葉子 京舞井上流
  大谷祥子 筝曲家
 笹岡隆甫 未生流笹岡次期家元
 茂山宗彦 大蔵流狂言師
 諏訪蘇山 陶芸家
 千 宗員 茶道表千家若宗匠
 千 宗屋 茶道武者小路千家若宗匠
 橋本忠樹 観世流能楽師
 羽田登喜 友禅作家
 三木啓樂 漆工芸師
 藪内紹由 古儀茶道藪内流宗家若宗匠

「DO YOU KYOTO? ネットワーク」 顧問

 門川大作 京都市長

Dsc08654

| | コメント (0)

2009年7月 5日 (日)

旧甲子園ホテル

 本年度の武庫川女子大学での講義を、無事終えました。武庫川女子大学は、3年前の2006年に女子大としてはじめて建築学科を開設。旧来の座学中心の教育ではなく、演習を豊富に取り入れ、各地の名建築を訪ねるフィールドワークも頻繁に開催。欧米型のスタジオ教育をめざしています。
 武庫川女子大学建築学科の魅力は、なんと言ってもそのキャンパス。フランク・ロイド・ライトの弟子である遠藤新による「旧甲子園ホテル」を校舎に転用しているのです。甲子園ホテルは、日本におけるライトの影響下に生まれた作品の中でも最高傑作と言われている名建築。この生きた教材の中で学ぶことができる学生たちは、同じく建築を学んだ私から見てもうらやましい限りです。
 さて、私が初年度から担当している「いけばな」は、1年生が空間表現を学ぶ演習の一環です。シンプルな水盤を使った計10数時間にわたる実習を経て、最終日の授業では、背丈ほどの大きな器にいける「大作いけばな」に挑戦します。学生たちは、キャンパス内の好きな空間を選んで、作品を飾ります。吹き抜けに置いて上階から俯瞰させたり、柱列を作品の背景に設定することによって建築のディテールの美しさに目を向けさせたり。いけばなの存在によって、建築の見方も変わります。
 授業の終わりは、以前、学内で開催されたシンポジウムのエピソードで、講義を締めくくりました。「いけばなとは、自分を前面に出すのではなく、逆に自分自身は一歩引いて、花の個性を引き出すこと。それでも、自分の色は作品に残ってしまう。消そうとしても消せないのが本当の個性だ」と私が話したところ、ご一緒した女優の菊川玲さんや建築家の永山祐子さんらと意気投合。「自分の押し付けではなく、周囲の環境やその建築の使い手のことを第一に考えるのが、私のめざす建築家だ」と。初年度に担当した学生は、今年もう4年生。はたして学生たちは、どんな建築家になってくれるのでしょう。01

| | コメント (1)

« 2009年6月 | トップページ | 2009年8月 »