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2011年7月

2011年7月29日 (金)

浴衣でモエ

 気軽にモエ・エ・シャンドンを楽しんで欲しいと、全国で開催されている「浴衣でモエ」。今週、京都・膳處漢ぽっちりで開催された「浴衣でモエ」にご招待いただき、モエをテーマにした作品をいけさせていただくことになりました。以前ご一緒したシニアソムリエールの方にお尋ねしたところ、若いモエのイメージは、淡い黄色の中に、ほんの少し緑が含まれた白。それが熟成されてくると、全体的に黄色味を帯びてきて、ゴールドに近づくのだそう。
 ちなみに、モエのイメージカラーは、黒・白・ゴールド。そこで、黒いアクリルの波板を花器に見立て、ほんの少し緑を含んだ白のカラーを主材にし、ヤツデを合わせいけることに。最後にゴールドに染めたヤツデを添えて完成です。
 作品は、秋山都さんがブログでご紹介下さっています。ぜひご覧下さい。
  http://www.cafeblo.com/bazaar/entry-e00e503ab2e260bb2fef841b3d6527e2.html

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2011年7月15日 (金)

形と好み

 いけばなの世界では、室町時代の「たて花」から始まり、「立花」「生花」「盛花」「自由花」「造形いけばな」といった具合に、時代の要請に応えて、次々と新しい「型」を生み出してきました。これに対し、千家十職の中村宗哲家では、少し違うと言います。棗の形は、利休好みの利休形が基本で、ある意味では絶対的。時代が変わったからといって、縦軸にあたる利休形が変わることはなく、各家元の好みという形で横軸のバリエーションを持つのだそう。柔軟に型を変化させるいけばなの世界に対し、形と好みで展開する茶の湯の世界。同じ伝統の世界でも、様々な捉え方があるようです。
 ただ、興味深いのは、いけばなの場合、新たな型が生まれても、古い型が捨てられずに残されてきたという事実です。先人の知恵である古典の型を大事にする心がけは、いけばなでも棗でも、変わりありません。

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2011年7月14日 (木)

いけばなとモデル

 今秋発売される振袖の雑誌の撮影で飾花を担当し、今年はじめて紅葉をいけました。撮影の際、カメラマンさんが、いけばなと人物はよく合うおっしゃっていました。フラワーアレンジメントと人物を一緒に撮るのは難しい、とも。フラワーアレンジメントは単独で完結しているので、モデルさんと喧嘩するのだそうです。
 いけばなでは「物たらずにすかすが本なり」と言われます。幾何学的に整った完全な形態よりも、あえて不完全を狙うのです。単体では未完成と言えますが、そのぶん変化を受け入れる懐の深さが生まれます。いけばなは不完全の美。だからこそ、隣に人物が入ることにより、味わい深い調和を醸し出すのです。

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2011年7月10日 (日)

アナスタシア

 先日、アイブロウ(眉)のブランドであるアナスタシアさんのイベントが日本橋のマンダリンオリエンタルで開催されました。ブランドのイメージカラーであるバーガンディー(ワイン色)にちなみ、紅シダレモミジやダリアを主材に、いけばなパフォーマンスとテーブル飾花を担当させていただきました。
 私の出番の後、舞台上で、モデルさんを使った実際の施術の様子を拝見したのですが、before-afterの明らかな違いに驚かされました。眉の上下に生えている余分な産毛を抜くだけで、残された眉がきりっと際立つのです。施術後は、たとえ眉毛が薄い人でも、眉を書く必要はほとんどないと言います。
 いけばなも、一輪の花、一枚の葉の輪郭まで際立つように、余分な枝葉を取り除きます。あえて余白をつくることで、残った花や葉が輝きだすのです。いけばなと眉の施術には、意外な共通点がありました。
 ちなみに、眉は表情の8割を決めるとも言われます。すでに顧客の1割は男性。これからは眉の手入れが身だしなみの一つとして欠かせないものになりそうです。アナスタシアの最終目標は、顧客に前向きの生き方を手に入れてもらうことだと言います。表面上の美しさだけを追求するのではなく、美しい表情を手に入れることで、生き方まで前向きになって欲しいのだそう。いけばなも花が美しく見せる技法だけを追求するのではなく、花の命の移ろいを見届ける中で、美しい生き方のヒントを得るのが、大きな魅力の一つ。これもまた、よく似ています。

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2011年7月 4日 (月)

東日本大震災復興支援ワークショップ

7/23(金)、横浜・三渓園で開催される東日本大震災復興支援ワークショップ「伝統文化の持つ力」で、華道を担当します(小さなアレンジメントをお持ち帰りいただきます)。茶道や日本舞踊など、様々な体験ができるようで、私も楽しみにしています。ぜひご来場下さい。チケットの購入はインターネットからお願いします。 http://www.lotus-yokohama.jp/ 

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2011年7月 1日 (金)

西畠清順さん

 京都華道界の若手家元・次期家元による「いけばなネットワーク21京都」の勉強会で、兵庫県にある植物卸問屋「花宇」にお邪魔しました。関西では名を知られたお店で、規格外の巨木や珍しい草花など、市場では入手できない花材でも、花宇さんに頼めば何とかなると言われています。
 住宅街のどまん中にあり、まずは、オリーブの巨木が出迎えてくれます。世界中の花が集められた大温室をはじめ、敷地内を隈なく見せていただきました。開花調整を行っている地下の冷蔵庫には、この時期にも関わらず、桜やボケ、シャクナゲの蕾がありました。
 お話を聞かせてくださったのは、五代目の西畠清順さん。世界を駆け回るプラントハンターとして「情熱大陸」に出演されたのをご覧になった方も多いと思います。興味深かったのはこんな話。「水遣りだけでもさせてほしい」という人がいるが、とにかく水をやればよいわけではない。気温・湿度はもちろん、植物の樹齢や健康状態・鉢の大きさなどを総合的に判断する必要があり、最も難しい仕事の一つだ、と。自然の天候ならば、晴天が3日続き、翌日は雨天といったサイクルがベスト、雨水は窒素を含み水道水より栄養がある、などの知識も必要です。
 以前、造園「植治」の小川勝章さんとお話したときに、「草取りですべてを学んだ」とおっしゃっていとことを思い出しました。確かに素人では、抜くべき草・残すべき草の見極めができません。そして、足もとに生えている草を地べたに這いつくばって見ることで、庭の健康状態が分かるのだそうです。どの世界でも、基本を疎かにしてはいけないのですね。
 西畠さんのブログ http://hanau.jp と、著書『プラントハンター』もぜひご覧下さい。

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