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2011年9月

2011年9月27日 (火)

森田りえ子さん

 豊麗な牡丹、高貴な杜若、優雅な薔薇に、妖艶な胡蝶蘭…。そして、糸菊の繊細で流麗な花弁には、思わず見惚れてしまいます。美しい花が一堂に会したその場は、まるで優しくあたたかな光に包まれているかのよう。
 そごう神戸店で開催中の森田りえ子先生の日本画展にお邪魔しました。専門的なことは分かりませんが、絵には画家の人となりが顕著にあらわれるように感じます。気さくで思いやりがあって、でも芯の強い、そんな森田先生のお人柄が、そのまま絵の魅力となっているのです。見ているこちらまで、優しい気持ちになりました。
 さて、華道家は、花が本来持っている美しさを見きわめ、それを引き立てる黒衣の役割に徹します。いけばなにおいて、主役はあくまで花の個性であり、華道家の個性ではありません。しかし、それでもやはり、祖父のいけた花と私のいけた花は違います。どれだけ消そうとしても消しきれないものが、個性なのでしょう。いけばなにも、華道家の人となりが必ずあらわれます。人の心を打つ花をいけるためには、自分自身を磨くことこそ必要なのかもしれません。

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2011年9月23日 (金)

choriくん

 優しい声。やはり、彼は声がいい。
 昨夜、友人の詩人choriくんのライブに行ってきました。肩書は詩人ですが、バンドを結成して、ライブハウスに出演しているのです。エレクトリックアップライトベース、ギター、ドラムス、そしてchoriくんの詩。
 音楽が人に訴えかける力は偉大です。圧倒的な音は、耳だけではなく全身に響き、そのインパクトは強烈。静の印象がある詩というジャンルに新風を吹き込み続けるchoriくん。裏千家お家元の長男として生まれたがゆえに何かと注目される彼ですが、固定観念に捉われず因習を打破する、その先駆的な試みには頭が下がります。
 いけばなも、もっとはじけなくては。いけばなの歴史をひもとくと、各時代に主流となった型(たて花-立花-生花-盛花-自由花-造形いけばな)の裏側には、常に、より気軽で自由な花の系譜がありました。この自由な花の系譜は、いけばなの本流にも大きな影響を与え、いけばなを語る上で決して無視できません。正攻とのバランスをうまくとりつつ、しかし、前衛であろうという意識は持ち続けたいものです。

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2011年9月21日 (水)

百福庭園と京鐘邸

 貸衣装の京鐘さんにお招きいただき、和庭「百福庭園」と「京鐘邸」のお披露目会にお邪魔しました。京鐘さんは、家元のすぐご近所で、家族ぐるみでお世話になっています。
 百福庭園と京鐘邸は、民家を修復し、美しく生まれ変わった素敵な空間です。和装でお迎え下さったのは、未生流笹岡の東京教室にもお稽古にいらして下さっていた、女優の秋吉久美子さんと京鐘のお嬢様。そして、庭園と建築については、それぞれを手がけられた小川治兵衞さんと若林広幸さんが直々にご説明下さいました。お二人ともとても気さくで楽しいお人柄。「寝転んでも、胡坐を組んでもよい。視点を下げ、低い目線で楽しんで」と小川さん。土を身近に感じてほしいということです。若林さんは、大きな襖にあしらった漆和紙を、ご自身で張ったのだとご紹介下さいました。職人さんに張ってもらうと綺麗になりすぎるので、わざと皺感を出して、その味わいを楽しでもらおうという趣向です。庭にも建築にも楽しい仕掛けがいっぱい。四季折々、また違った風情を見せてくれるのでしょうね。

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2011年9月12日 (月)

月の宴

 とても美しい月夜でした。昨日、東山山麓、南禅寺の北に位置する流饗院で開催された観月会に参加させていただきました。会場には、NPO法人京都伝統フォーラムの皆さんの作品が展示されました。私は、月見台の飾花を担当。朱塗りの三宝の上に朱盃を置き、ススキをいけて、お月様にお供えしました。ススキに添えいけたのは、いずれも繊細で優しい秋草です。萩・撫子・女郎花・藤袴・桔梗・ほととぎす・竜胆・菊(スプレーマム)…。また、背景には竹の屏風を設え、秋の気配を感じられる紅葉したナツハゼをいけました。 
 嬉しいハプニングもありました。近藤高弘さんから一輪挿しに花にいけてほしいという依頼を受け、開場直前に即興でいけさせていただくことになったのです。床の間に飾られたその器は、縦一文字の細長い直方体。シンプルで洗練されたデザインです。近藤さんの代名詞とも言える銀滴をあしらった美しい器。その幾何学的なフォルムを際立たせるため、持参したナツハゼの枝の中から、特に曲の強いものを選んで入れました。添えいけたのは、涼やかな白の竜胆。ゲストの方々も、花器の直線とナツハゼが描く有機的な曲線の対比を楽しんで下さったようです。

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2011年9月 3日 (土)

ご挨拶

 来る11月27日、当代家元である祖父の意向を受け、家元を継承することとなりました。合わせて、祖父が初代家元(曽祖父)から引き継いだ花号「桃流斎」を襲名します。
 いけばな、そして、日本文化の魅力を多くの方に知っていただけるよう、ますます精進しなければと、身の引き締まる思いです。まだまだ勉強中ですので、今後とも、幾久しく御指導、御懇情を賜りますよう、ここにお願い申し上げます。

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