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2011年10月

2011年10月30日 (日)

国民文化祭「現代詩フェスティバル」

 11月29日、国民文化祭・京都2011が開幕しました。私がキャスターを務めている京都府広報番組「京都ふらりー」(KBS京都テレビで放送中)でも「インフォ国文祭」というコーナーを設け、半年にわたって毎週、この国民文化祭に向けての告知をしてきたので、やはり思い入れがあります。
 2日目の今日には、京都テルサで「現代詩フェスティバル」が行われました。その見所の一つが、私も出演させていただいた、連詩の朗読といけばなのコラボです。予め、朗読なさる詩の原稿をいただいたので、それをヒントにいけばな作品の構想を練りました。6名の詩人の詠んだそれぞれの詩の場面に、重ね合わせてもらえるような作品に仕上げたのです。
 御所車をモチーフとした器を用い、アセビを主材に大輪のユリとオンシジュームを添えいけたのですが、その流れるようなアセビの枝ぶりが、時には、“山路”“苔”“水の姿”と、朗読される詩によって全く違った景色に見えます。ピンクのユリを“花火”に、黄金色に輝くオンシジュームを“常夜灯”に見立てて下さった人もいるでしょう。御所車に“幾千年の夢”を乗せて、進んでいく場面を思い浮かべてくださった方もいたはずです。視点を変えると同じ絵が違って見える「婦人と老婆」のだまし絵のように、耳に入る詩が変わると同じいけばな作品の見方がコロコロとその姿を変え、言葉がいけばなに与える影響の大きさを実感しました。
 逆に、いけばながあることが詩もいつもとは違って聴こえます。言葉というのは不思議なもので、同じ単語を聴いても、人によって思い浮かべる映像や音や香りは異なります。もちろん、それは詩の大きな魅力でもあるわけですが、今回は、そこに花があることで、いつもよりほんの少しだけ、皆さんの思い浮かべる映像がシンクロしたようです。
 いつもと少し違った詩と花の魅力を演出できた、楽しい挑戦でした。
 国民文化祭は、来月6日まで。京都府内各地で様々な催しが続きます。

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2011年10月19日 (水)

三木啓樂さんと武政建夫さん

 今日は、2つの展覧会にお邪魔しました。
 朝一番に寄せていただいたのは、京都タカシマヤ、6階美術画廊で開催中の「三木啓樂漆芸展」。友人の漆工芸家、三木啓樂さんの個展です。波や月、雲など、自然をモチーフとした新作がずらり。今回は螺鈿を積極的に使った作品など、一味違った試みにも注目です。やはり三木さんお得意の波や波紋をあしらったのシンプルな作品には、思わず引き込まれてしまいます。
 続いて、大丸ミュージアム<京都>で、開催中の「武政建夫ガラス彫刻展」へ。ガラスの透き通るような美しさはもちろん、その不思議な世界にすっかり魅了されました。ある視点からは蓮の蕾ばかりが、また別の視点からは満開の蓮が、そしてまた別の視点からは葉に落ちた水滴が、といった具合に、見る角度を変えると違った姿が現れるのです。思わず、作品の周囲を何周もまわってしまいました。三角柱と四角柱をたくみに組み合わせて作り上げられるこの世界、きっと厳密にデザインされているのでしょうね。武政さんは、彫刻のある部分とそれ以外の部分はともに大事だとおっしゃっていました。書やいけばなとも共通なのですね。

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2011年10月17日 (月)

「京の小袖」特別鑑賞会

 ハースト婦人画報社「美しいキモノ」編集部さんからのお勧め情報です。
 10月24日(月)、京都文化博物館で、「京の小袖」展の特別鑑賞会を企画されています。参加費は3000円。お問い合わせは、美しいキモノ編集部(TEL:03-6384-5381)まで。

http://www.hearst.co.jp/product/utsukushiikimono/node_3956/2011-08-20

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2011年10月13日 (木)

小さな記者さん

 小さな記者さんから、質問攻めに合いました。母校であるノートルダム学院小学校の子どもたちが学校新聞の記者として、私のもとへ取材にやって来たのです。
 Q.どんな小学生でしたか?
 同級生から見れば、嫌な子だったと思います。「○○さん、廊下を走らないで下さい」などと注意する、生真面目な学級委員タイプ。先生や親にとっては良い子でした。
 Q.いけばなって何ですか?
 うつむいた花と、顔を上に向けた花、どっちが綺麗に見える? そう、正解は「上を向いている方」。だらしない花より、勢いのある花の方がいいよね。同じ花なのに、顔を上に向けるだけで、力強く生き生きして見える。これがいけばなの技です。単純なことだけど、綺麗に見えたらやっぱり嬉しいよね。
 Q.仕事は好きですか?
 はい。僕は自分で選んだいけばなを仕事にしています。休みが少ないのが辛いですが、好きだから我慢できます。いけばなは、人と関わる仕事です。先生とお弟子さんだけでなく、能楽師や音楽家など、他の分野の皆さんと一緒に舞台に立つこともあります。たくさんの人との交流はとても刺激になります。
 みんなも、ゆっくりと好きなことを見つけて下さい。そして人生を楽しんで下さい。それと、嫌だろうけど、勉強はして下さいね。高校生くらいまでは、やらされてるという感じがあるかもしれないけれど、我慢してください。勉強をすることで、職業の選択肢が広がるからです。
Q.小学生に伝えたいことはありますか?
 昔の人は、こんなことを言っています。花をいけるときに、目の前にある花だけを見てはいけない。目に見えないものを見なさい、って。どういうことやと思う? 
 茎? 茎は、目に見えるやん。
 空気? 確かに目に見えないね。でも、違う。
 根っこ! 正解!! 昔の人は、目の前にある花がどうやって育ったかを想像することが大事だと考えたのです。お花屋さんで売っている花には根がついてないけど、もともとは根があったはず。大地に根をはり、水や養分を吸収し、太陽に向かって枝葉を伸ばし、光合成をする。花が咲くまでの過程を想像すると、花は、まさに天地の恵みだということがよく分かります。花をいけることは、地球のこと、自然のことを考えるということなのです。
 では、一緒に、自然の仕組みを考えてみよう。植物がなければ、いけばなという文化は成り立ちません。いや、いけばなだけじゃなく、人間の生活はすべて自然に頼っています。食事一つとってみても、人間は動植物の命を分けてもらって生活している。日本人は、そんな自然に対する感謝の気持ちを大切にしてきました。ご飯を食べる前に「いただきます」、食べ終わったら「ごちそうさま」と手を合わせます。いけばなをする上でも、花を美しく見せることよりも、花に対する感謝の気持ちを忘れないことの方が大切です。みんなも、ありがとうの気持ちを大事にしてほしいと思います。
 

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2011年10月 9日 (日)

未生流笹岡 京都支部展 御礼

 先ほど、未生流笹岡 京都支部展を無事終えることができました。ご出瓶頂いた皆様、そして特に最後まで片づけをお手伝い下さった支部役員の先生方、お疲れ様でした。
 京都新聞、KBS京都、αステーションなど各種媒体で告知して頂き、おかげさまで大勢のお客様が会場に足を運んで下さいました。また、読売新聞さんには、本日取材にいらして頂きました。京都府知事ご夫妻、京都市長、伊吹文明衆議院議員、奥田幹生元文部大臣、福山哲郎参議院議員をはじめ、お祝いにかけつけて下さった多くの皆様に、改めて御礼申し上げま す。
 特に、国民文化祭に寄せて「京の彩り」と題したテーマ席、中でも屏風の表裏に京都の春秋それぞれの景色を再現した、いけばなパフォーマンス作品は好評でした。明日のKBS京都テレビ「ぽじポジたまご」では、本日の作品の中から数点をご紹介しますので、ぜひご覧下さい。
 なお、本展は、祖父である二代家元 笹岡勲甫のもとで開催する最後の京都支部展となりました。来年は、私の三代家元 継承披露を兼ねた展覧会とさせて頂きます。

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2011年10月 6日 (木)

いけばな展のご案内

 2011年10月9日(日)10:00~17:00、京都産業会館4Fホールにて、未生流笹岡 京都支部展を開催します。入場無料ですので、ぜひ気軽にお出まし下さい。私は終日会場におりますので、お声がけいただければ嬉しいです(11:00~12:00は写真撮影等のため、ゆっくりお話できない可能性があります)。

http://www.kadou.net/news/index.php?act=dtl&id=43

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2011年10月 5日 (水)

中村宗哲さん

  高島屋京都店で開催中の中村宗哲さんの襲名記念展にお邪魔しました。2006年の十三代宗哲ご襲名から6年目に催された記念展。若い世代にも好まれる幾何学的でシンプルなデザインのものも多く、普段茶の湯に関わりのない方でも気軽に楽しめる展覧会です。宗哲の代名詞とも言うべき利休型の棗は、不思議なことにいつ見ても新鮮。きっと極限までそぎ落としたシンプルな型であり、計算しつくされた美なのでしょう。この展覧会のもう一つの魅力は、宗哲さんの漆と、実妹にあたる諏訪蘇山さんの青瓷とのコラボです。姉妹でこういった試みができるというのは、本当に素敵なことですね。
 宗哲さんによると、「(お母様にあたる)十二代宗哲が、華道家の西川一草亭のために誂えた花器の写真が残っている」とのこと。西川一草亭は夏目漱石など文人や学者とも交流があったと言われます。当時は様々な分野の芸術家が互いに影響を与えあっていたのでしょう。
 もう何年前になるのでしょうか、表千家の初釜に寄せていただいた際、十二代宗哲さんがお手伝いに出ていらして、「(私の大伯母にあたる)馬越愛さんと工芸家仲間で友達なんですよ」とお声がけいただいたのを懐かしく思い出しました。こうした分野を超えた交流は、何より楽しいものですし、直接的か間接的かは分かりませんが、必ず作品づくりにも影響を与えるはずです。
 文化は人と人とが交わるところに生まれます。新しい文化を生み出すために、異分野との交流は欠かせません。私自身、様々な分野の第一線で活躍なさっている方々の作品を身近に拝見するのは大きな刺激になります。これからも、先輩たちの背中を追いかけ、その技術や姿勢から学びたいものです。そして、いつかはそんな諸先輩にも影響を与えられるような花をいけたいものです。

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